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| 高木進氏 建築塗装・・・平成元年度受賞 |
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| 日本の美しさ、緑青 |
| 胴葺きの屋根が緑青がふいて、独特のやわらいだ色合いが見る者の心を和ませる。木造建築が日本の風土の中から生まれた理に叶った建築様式であるならば、多く、神社や仏閣、数奇屋風の建物などに見られる屋根の緑青もきわめて日本的な風土の賜ものであり、我々日本人の美意識を培ってきたものの一つともいえる。 |
| その緑青がごく自然に出てくるには十年から二十年の歳月が必要とされる。歳月を経たもののみが漂わす存在感が緑青にもあるのだが、その緑青の持つ独特な色合いを人工的に作り出すことに成功したのが高木さんである。 |
| 緑青に惹かれて、何とか人工的に緑青色が作り出せないかとの要望は以前からあり、さまざまな試みも行われてきた。薬品による発色技術は昔からあった。塗料を調色して緑青の色を出す方法もあった。そのいずれにも満足せず、薬品法、塗装法、蘇生法という三種類の工法をミックスすることで道を拓いて行った。昭和五十五年、大原野の山の上に研究所を設け、工業薬品の配合、化学反応や温度管理などさまざまな面で試行錯誤を繰り返し、二年後、緑青加工技法の開発に成功した。 |
| 工法特許、意匠特許、組成特許もいくつかとる中で完成したその技法は、素材も胴、真鍮、鉄などの金属類に限らず、セメント、石膏、陶磁器、プラスチック、木工、紙類と、およそどんなものにでも緑青加工を施すことができるという画期的なものだった。この分野では、二十件を超える特許を出願している。 |
| 主な施工例としては、八坂神社の高欄の寺院、四条大橋高欄、ロイヤルオークホテル(大津市)や雲仙半水盧(はんずいろう)のホテルの屋根、高麗美術館(京都市)、瀬田グランドマンション、筍亭といった料亭、京都市立図書館、枚方文化会館などの公共的施設などさまざまです。 |
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| 売るのは技術とノウハウ |
| 緑青加工技法は建築塗装や鋼構造物塗装などをはじめとするあらゆる塗装工事の施工を行っている高木さんの生業の一側面にしかすぎない。 |
| 高木さんは中学を出て大野塗装に入社七年間は刷毛を握って建築塗装にたずさわり、あらゆる塗装を段階的に経験してゆく。そして、建築物のみならず、橋梁、鉄塔に至るまでの塗装技術を身につけたのである。 |
| 十一年目に退社、独立。二ヶ月ほどは武者修行に他府県を転々とし、昭和三十八年十月に高木塗装を創立した。 |
| 高木さんの名刺には、納まりきれないほどの役職名がある。それらは、みな仕事を続けるうちにおのずと必要な技術分野のものばかりであった。その足跡がしのばれる。 |
| 一隅に刷毛の新案を伝えるパネルがあった。塗装の際の入隅用の刷毛だった。隅を塗る際、現在はテープを張って行うがそれでは滲みが出たりするし、技術も向上しない。それではというので、高木さんが工夫したものだった。そんな些細なことにも意を注ぐ高木さんだった。そうした姿勢は「我々は技術、ノウハウを売ってるんや」という言葉に表われていたし、全国に二つしかないという事業内職業訓練学校「高木技能訓練センター」を開校したことにも示されていた。 |
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